研修委員会
小笠原 淳
11月18日(木)米子商工会議所にて、平成22年度米子商工会議所青年部11月例会が開催されました。研修委員会の担当としましては、7月に開催しました「自己研鑽意識の啓蒙」に続き、もう一つのテーマ「世界進出を果たした企業の成功事例」について学ぼうと企画した、今年度2回目の講師例会となりました。昨今の厳しい経済状況を踏まえた上で、既存産業の生き残り成功術を模索する必要性を感じ取り、競争社会で勝ち組となるためにどう目標を立てていくかがカギとなります。
今回私達が講師としてお招きしたのは、㈱平松食品 代表取締役 平松賢介氏です。そして世界進出に挑み続けられているその取扱商品は、“TERIYAKI FISH”・・・ずばり“佃煮” です。日本の食卓では昔から愛されるものの、しかしメインの食材にはなり得ず・・・。若い世代には「おいしいけど、なくても」なんて言う声さえ聞こえるようですが、そこは今年度日本YEG研修委員長も務めていらっしゃる平松氏、「世界の食卓に佃煮を」を合言葉に、日々世界を飛び回っておられます。愛知県豊橋市に本社を構え、生産工場では主種の品質・製造システムを認証取得し、「ISO22000(食品安全マネジメントシステム)」では国内第一号認証企業として評価されています。会社としてのマネジメントはもちろんのこと、注目すべきはやっぱりその味です。「モンドセレクション」で最高金賞を幾度も受賞される日本の伝統食品は、たかが佃煮(失礼)ではない、さすがの最高品質という印象を受けました。平松氏はこの伝統を守りつつも、各国で受け入れられる新しい食材として研究を続けられます。
ニューヨークで佃煮を売る、誰もやらないその発想こそ社会での自分の位置づけを確立していくヒントだと思います。そこには誰にも負けないという自社製品への自信に裏付けされた情熱がはっきりと感じられました。必ずしもあらゆる業種でグローバル化が適合するとは言えませんが、不景気に嘆くのではなく、前を見続けて挑戦していく姿に明るい兆しが見えてくるのではないでしょうか。地元の産業を活かし、元気な米子を創造していくために、非常に興味深い御講義を頂くことができたと思います。
非常にお忙しい中講演を快くお引き受け下さった平松氏に深く感謝し、また青年部会員が世界を駆け回ることを夢見て、例会報告とさせていただきます。